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伝統の逸品

(出典:しまねブランド推進課 しまねの伝統工芸より)

人形玩具

じょうき

■じょうき

江戸時代より精霊流しが全国各地で盛んに行われるようになった。しかし、大社地方には適当な川がなかったため、子供たちが小さなコマをつけた屋形舟や千石舟など思い思いの紙貼りの舟を作り、ローソクを入れて毎年七夕の頃から盆にかけて曳いて歩いた。これが大社のじょうきの始まりである。松を適当な寸法に切断し釘を使って組み立て、それに和紙を張って絵を描くというもので、もちろん全てが手作業。しかも、最終段階の塗装(色付け)に関しては大社の祝凧同様、型紙などを使用せずひとつひとつ仕上げていくため、長年の経験と細心の注意が必要となる。また、手すき和紙を用いているため、年数が経っても色あせることがない。

【製造過程】木を切断→型を作る→和紙に貼る→絵を書く

【主な製品】じょうき

長浜人形

■長浜人形

明和年間(1765年頃)に初めて焼かれたと伝えられる「土人形」は、武家のようにひな人形や武者人形を飾る余裕のなかった町人の間で広まったといわれる。長浜は良質の粘土が産出する地であり、江戸時代から人形師が多かったのである。当初より博多人形と同系統の素焼きの土人形を作っており、現在もその技術が受け継がれている。長浜人形は、石膏で作った元型に入れて型どった粘土を800度で素焼きしてから絵の具で着色していくもので、作品は内裏雛や十二支など、いずれも素朴な表情と温かみを持ち合わせている。手間のかかる作業ではあるが、あくまでも手づくりにこだわり、その一体一体に職人の技術と思いが込められている。

【製造過程】原型(石こう)→釜入れ→仕上げ

【主な製品】内裏雛人形・天神

大社の祝凧

■大社の祝凧

出雲大社宮司の千家と北島の両家に伝えられてきた凧で、大社背後の亀山(北島家)と鶴山(千家家)を表徴した、「亀」と「鶴」の文字が書かれた2枚1組の祝凧である。元禄の頃、両家に祝い事があると国引き伝説で知られる稲佐の浜で、各々の凧を村人があげたのが始まりといわれる。その歴史の中で考案された小さな祝凧が今に伝わり、近年では15センチから40センチほどの装飾用が好まれるようになってきている。竹ひごの切断から型作り、そして和紙貼りや絵描き、乾燥と全てを手作業で行っているため、一つの凧を作り上げるまでに4〜5日かかる。最も慎重を要するのが凧のバランスに関わる糸取りの作業で、ここでも熟練した技が発揮される。

【製造過程】竹を切断→型を作る→和紙を貼る→絵を書く

【主な製品】祝凧

張子虎

■張子虎

ピンと張ったヒゲ、振子式の首などがユーモラスな郷土玩具である。明治10年(1877年)頃に郷土の名工として知られる荒川亀斎が苦心して作り上げた型を元に色彩鮮やかな首振り張子として完成され、今に継承されている。張子の本体は、幾重にも貼られた和紙から骨格を抜き取ったもの。そこに胡粉顔料などで彩色して仕上げていく。張子のバランスを調整しながらの顔づくりと彩色が最も技術を要する点で、もちろん全てが手作業となる。当初より節句の飾りものとして愛用され、今では誕生祝、商売繁盛などの記念品や贈答品としても利用されている。昭和37年(1962年)には、年賀特別郵便切手の図案に採用されたため海外でも知られるように。その後も、葉書のイラストなどに広く利用されている。

【製造過程】原型→型起こし→乾燥→絵付

【主な製品】張子虎

松江姉様

■松江姉様

江戸時代に松江藩の御殿女中が作り始めたもので、江戸(東京)から伝わった姉様人形の一つといわれている。昭和10年頃までは子供や娘たちの日常の遊び用玩具であったが、今日では郷愁を誘う民芸品として土産品、愛好家の収集品となっている。大きさや衣装、飾り付け、着物の柄などは時代の推移と共に少しずつ変化している。顔は、おちょぼ口で目が細く頬をほんのり赤く染め表情豊かに作り上げられる。また髪型は、お下げ・桃割れ・島田があり、それぞれ少女・娘・人妻を表わしている。単純化された中にもきらびやかさ、あでやかさがあり、実に日本的で気品のある紙人形である。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)もこよなく愛好したという。

【製造過程】頭部及び芯(胴)作り→顔かき→髪作り及び髪結い→飾り作り及び飾り付け→着物の紙染め及び着付け

【主な製品】姉様人形

出雲今市土人形

■出雲今市土人形

高橋茂三郎が江戸時代末期の頃、京都伏見の土人形の製法を見習い、作ったのが始まりといわれている。武者人形、恵比須、大黒、太夫、娘、舞子などがあり、柔らかい土味と表情がおもしろく、現在は、出雲市唯一の土製の郷土玩具として、愛用されている。

【製造過程】原型→型起こし→乾燥→素焼き→胡粘塗り→彩色

【主な製品】天神・武者・舞子・大黒

松江和紙てまり

■松江和紙てまり

松江の手まりは、江戸時代に松江藩御殿女中が作り始めたものといわれ、やがて民間に伝わったとされる。松江和紙てまりは、絹川さんの創作した工芸品で出雲民芸和紙を張った上に刺繍糸で模様をかがり、最後にちぎり絵で模様を描いて仕上げるという独特の素朴さと味わいをもつ。出雲民芸和紙は、丈夫なうえに様々な風合いを持ち合わせているので、松江和紙てまりには最適の材料である。この和紙の質によって作品の良し悪しがほぼ決まるほど。また、2つとして同じものは出来ないという面白味もある。図案に花が多いのも特徴で、松江市の花である“椿”や、県花の“ぼたん”が必ず入っている。十二支などが描かれた作品もあり、鑑賞用、縁起物、厄除けとしても用いられている民芸品である。

【製造過程】地玉→地玉に綿をまく→綿の糸をかける→和紙はりつけ→基礎綿をかける→糸刺し→ちぎり絵をはる

【主な製品】和紙手まり

出雲五色天神

■出雲五色天神

出雲五色天神は、出雲地方での天神様への信仰を背景とする「土天神(つちてんじん)」を起源としており、あがめながら暮らしのなかで子供達が愛玩するようになったのは江戸中期といわれている。1970年、幕末に建てられたある商家の改築の折に発見されたこの「土天神」の型をもとに、「五常の礼節(ごじょうのれいせつ)」である「仁義礼智信(じんぎれいちしん)」の五色に彩り古式にのっとって復元した。この五色とは、黒・青・白・赤・緑である。復元にとりくんだのは出西窯の仲間たち。「土天神」の型の古雅な美しさに魅せられ、ぜひこの幻の天神を再現したいと願ったことからである。一番苦心する点は、何といっても顔付けの作業。一体づつ丹念に、心を込めて描かれていく。今では、出雲地方の風物詩のひとつになっている。

【製造過程】型出し→素焼き→彩色→箱づめ

【主な製品】誕生祝い・節句での贈り物

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